その15:英文法の知識(4)

執筆者:関根幸雄(広島修道大学教授)

心理的な配慮は国内に限らず、海外取引のビジネスにおいて大切じゃよ。何事も思いやりじゃ。

4.能動態と受動態

学校英語では、機械的に書き換える学習をしますが、意味合いは異なります。例えば、見積書に最低発注量が記載されていなかった場合、

You did not mention the minimum order quantity in your estimate.
貴社は見積書に最低発注量を記載していなかった。

と表現しますと、相手に対し記載していないことを指摘しているようになります。

これを受動態にしますと、

The minimum order quantity was not mentioned in your estimate.
貴社見積書には最低発注量が記載されておりませんでした。

この表現にすると、相手に対し記載されていなかったことを伝えていることになり、内容は同じでも、相手に与える印象が異なります。

これは「心理的配慮」と呼ばれ、貿易をはじめとするビジネスでの英語の特徴として「英語+商務+心理の総合」と捉えることができます。商務とは専門知識のことですが、さらに心理的要素も必要となりますので、英語+商務では不十分といえましょう。

5.否定文

We cannot accept your order quoting the old prices.
旧価格で見積もられた貴社ご注文を受諾することはできません。

英文としては、問題ないのですが、cannotは否定的な響きがありますので、

We are unable to accept your order quoting the old prices.

としたほうがよいでしょう。

さらに、遺憾ながらという意味合いで、

We regret to inform you that we are unable to accept your order quoting the old prices.

と表現することもできます。

応用として、もし1,000台以上の注文であれば、旧価格でも受諾できるのであれば、

We have to inform you that the old prices are quoted in your order. However, if your order is for 1,000 units or more, we are ready to accept it.

と前向きに表現することができます。

なお、以前レセプションの招待状をもらったときに、同封されていた返信用ハガキには、Will attendとUnable to attendの表現が使われており、欠席の場合Will not attendとはいわないようです。