第3回:輸出取引の実務を行なう「輸出を規制する法律を知る」

輸出を規制する法律を知る

ところで、輸出する貨物によっては、日本の国内法によって輸出が規制されていることがあります。

輸出を規制している国内法は、次のようなものがあります。

  • 「外国為替及び外国貿易法」(外為法)、「輸出貿易管理令」
  • 「輸出入取引法」
  • 「文化財保護法」
  • 「麻薬及び向精神薬取締法」

など

これらの法律により輸出に際して主務大臣などの許可、承認が必要であったり、主務大臣などに届出が必要である場合には、税関長に輸出申告する前までにこれら許可、承認あるいは届け出などを行なっておく必要があります。

また、輸出に際して検査、条件の具備が必要な場合にも、これらの条件に合致させるようにしなければなりません。

これらのことは、関税法に規定されています。

外為法などの輸出を規制している法律は、頻繁に改正されます。「官報」や関税協会が毎週発行している「関税週報」などで日ごろからチェックしておくとよいでしょう。

また、関税協会が発行している「輸出統計品目表」を入手しておけば、品目ごとの輸出統計番号はもちろんのこと、どのような法律に規制されているかがわかります。もっとも、いまお話したように改正が頻繁に行なわれていますから、新しい版のものを使うことが大切です。

輸出を規制する代表的な法律(1)

輸出を規制する代表的な法律(1)

輸出を規制する代表的な法律(2)

【輸出の制限、禁止関係】

文化財保護法(文化庁長官)

主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(農林水産大臣)

林業種苗法(農林水産大臣)

鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律((環境大臣)

覚せい剤取締法(厚生労働大臣)

大麻取締法(厚生労働大臣)

アルコール事業法(経済産業大臣)

【外為法関係】

輸出貿易管理令(経済産業大臣)

【検疫関係】

植物防疫法(農林水産大臣)

狂犬病予防法(農林水産大臣)

家畜伝染病予防法(農林水産大臣)

※( )は所管官庁

たとえば、検査が必要な植物を輸出する場合には、植物防疫法第10条の規定により、植物防疫官の検査を受けて検査合格証明書を受ける必要があります。

また、国際的な平和、安全の維持を妨げる貨物(兵器、ミサイル等)を輸出する場合には、外為法48条および輸出貿易令1条の規定により経済産業大臣の輸出許可を受ける必要があります。

関税法以外に輸出を規制する法律がある場合の手続き

輸出者
許可・承認申請
主務大臣
許可・承認取得
輸出者
税関長に対して輸出申告
このとき、許可・承認を取得していることを証明する。
税関長
審査・検査
税関長
(関税法上の)輸出許可

貨物を船積みし外国に向けて送り出すことができる

輸出で規制する間税法以外の法律がある場合には、その法律に基づく「許可」や「承認」等を、輸出申告するまでに取得し、輸出申告の際に税関に証明しなければならないことになっています。