第6回:勧誘を行ない申込みを承諾する 「輸出契約書を取り交わす」②

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主な取引条件

1 品質(Quality)

商品の品質を決定することは、貿易取引上もっとも重要なことです。ここでは、「品質の特定の仕方」と「契約で定められた品質決定の時期」について説明していきます。

(1)品質の特定の仕方

  1. 見本品売買(Sale by Sample)
    ボールペンやホチキスなどのような軽工業製品については、契約商品の見本を示し、その品質を特定します。もし、提示された見本品が、自分の欲するものとは異なる場合には、その見本品を改良した逆見本品(Counter Sample)を相手方に送ります。
    この方法ですと、実際に手に取り品質を見ることが可能です。
  2. 仕様書売買(Sale by Specification)
    船舶、航空機、機械施設の大型貨物や化学品などの工業品は、買主の引合いに応じて売主が図面、青写真などの仕様書を作成して買主に示すことがあります。この仕様書をベースに品質が特定されます。
    この方法ですと、仕様書に示された材料、性質、形状、性能などにより品質が特定できます。
  3. 銘柄売買(Sake by Trade Mark or Brand)
    世界的に知られているトレードマークやブランドの場合、そのマークやブランドを指定することにより品質を特定することができます。
  4. 標準品売買(Sale by Standard)
    農水産物や材木などの天然産物については、あらかじめ標準品を設定しておき、この標準品を基準にして売買がされます。そして標準品と実際の輸出品の品質のずれを価格に反映します。すなわち、標準品より品質がよい場合にはプレミアムをつけ、品質が劣っている場合には、ディスカウントします。
    標準品の決め方には、次のニつがあります。

    ( i ) FAQ (Fair Average Quality Terms:平均中等品質条件)

    農産物などの売買に用いられます。これは前年度の産物の中等品を標準品として品質が特定されます。

    ( ii ) GMQ (Good Merchantable Quality Terms : 適商品質条件)

    漁労品や木材などの売買に用いられます。これは売買に適する品質であることを確認することを条件とします。ここで売買に適する品質というのは、市場性のある品質という意味です。

  5. 規格品売買(sale by Grade or Type)
    規格が国際的に決められている商品の場合には、その規格により品質が特定されます。たとえば、ISO規格、JIS規格、JAS規格、UL規格などです。

(2)契約で定められた品質決定の時期

品質決定の時点は、通常次のニつの条件のいずれかにより決定されます。

  1. 船積品質条件(Shipped Quality Terms)
  2. 揚地品質条件(Landed Quality Terms)

たとえば、貿易条件が、FOB契約、CIF契約、あるいは、C&F (CFR)契約などのいわゆる積地渡し契約の場合には、船積み時の品質条件とするのが一般的です。

またDelivered Ex Ship (DES :指定仕向港着船渡し)などのいわゆる揚地渡し条件の場合には、陸揚げ時の品質とするのが一般的です。もっとも、契約により異なる条件をつけることもできます。

ところで、船積品質条件の場合、真に船積み時の品質が条件通りのものであったということを輸出者(売主)は、輸入者(買主)に対し品質検査証明書(Certificate of Quality Inspection)により証明しなければなりません。この証明は、権威のある第三者機関によるものであることが必要です。

この検査証明書は、輸出者が振り出す輸出手形の買取り依頼の際に添付書類として必要になります。

一方、揚地品質条件の場合には、輸入港において品質検査を行なって条件通りの品質かどうかを確かめます。もし、条件違反の場合には、検査機関の交付する鑑定報告書(Survey Report)に基づいて輸入者は、クレームをつけることができます。

品質条件の取決め方
見本品売買(Sale by Sample)

ボールペン、ノートといった軽工業品の売買の際に見本品が使われる。この場合、見本品により品質が特定される。したがって取引商品は、見本品の品質、形状、性質などと、一致していなければならない。

仕様書売買(Sale by Specification)

船舶などの大型貨物や工業品の場合、買主の引合いに応じて売主が、図面、青写真等の仕様書を作成し、これをベースに品質が特定される。

銘柄(商標)売買(Sale by Trade Mark or Brand)

世界的に有名なブランド品である場合には、その銘柄・商標を指定することにより品質が特定される。

標準品売買(Sale by Standard)

農水産物、木材などの天然の産物の場合、あらかじめ標準品を設定し、この標準品を基準に売買が行なわれる。標準品の決定方法には、①FAQ、②GMQがある。

規格品売買(Sale by Grade or Type)

国際的に規格が決められている商品の場合、その規格により品質が特定される。

規格
国際的な規格には次のようなものがあります。

ISO規格
(国際標準化機構の国際規格)
JIS規格
(日本工業規格)
JAS規格
(日本農林規格)
UL規格
(米国安全試験規格)
BS規格
(英国協会の発行する国家規格)

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