第8回:勧誘を行ない申込みを承諾する 「2010年のインコタームズを見る」

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◆2010年のインコタームズを見る

最新の2010年版インコタームズでは、2000年版インコタームズと同様に、貿易条件を4類型(E、F、C、D)に分類し、2規則11条件の定型取引条件を規定しています。

簡単にその概要を説明しておきましょう。

積み地条件(輸出国渡し)

積み地条件というのは、危険負担の時期が輸出国において売主から買主に移転するというものです。E、F、Cの3つの類型に属するものが該当します。

① E類型

売り手の営業所(工場、倉庫など)で引き渡されるものです。

●EXW

(EX Works…named place)
積み地(輸出地)における工場引渡し条件のことです。商品は、売主の工場において買主に引き渡され、危険負担はこの時点で買主に移転するというものです。ただし、ぼうえきじょうけんとしてはあまりもちいられません。したがって、輸出通関の義務も買主(輸入者)の側にあります。

運送手段と適切なインコタームズ

船舶(在来船)

  • FOB条件
  • CFR条件
  • CIP条件

コンテナ輸送 複合一貫輸送 航空機輸送

  • FCA条件
  • CPT条件
  • CIP条件
② F類型

輸出地で船側、本船などで引き渡されるものです。

●FCA
(Free Carrier…named place)

運送人渡条件のことです。つまり、売主が指定した場所などで、買主の指定する運送人に貨物を引き渡す条件です。運送人に引き渡された時点で危険負担は、買主に移転します。

売主の指定した場所で買主の指定する運送人に引き渡すといぅのは、たとえば、コンテナ貨物をコンテナヤード(CY)などで引き渡すことを指しています。FOB契約が在来船に対応したもので、これに対しFCAは、コンテナ船に対応したものといえます。

●FAS
(Free Alongside ship…named port of shipment)

船側渡条件のことです。売主、買主ともに合意した輸出港で、貨物を買主指定の船舶につけたときに売主の引渡し義務が履行され、また、危険負担も移転します。なお、輸出通関義務は、輸出者である売主にあります。

●FOB
(Free on Board…named port of shipment)

先に説明した本船渡条件のことです。なお、本船とは、艀(港と貿易船の間を貨物を乗せて運ぶ船のこと)に対応する語句で、実際に貿易に従事する船舶のことを指しています。

③ C類型

輸出地で本船または運送人へ引き渡されるものです。ただし、売手の費用で輸送、保険を手配します。

●CFR
(Cost and Freight…named port of destination)

先に説明したように、指定仕向港(輸入港)までの運賃込条件のことです。
また、貨物を本船の船上に置いたときに危険負担は、買主に移転します。

●CIF
(Cost, Insurance and Freight…named port of destination)

先に説明したように、指定仕向港(輸入港)までの運賃、保険料込み価格のことです。
この場合も、貨物を本船の船上に置いたときに危険負担は、買主に移転します。

●CPT
(Carriage Paid to…named place of destination)

指定仕向地(輸入地)までの輸送費込条件のことで、CFRに対応する条牛です。というのも、CFRの場合は、主に在来船による海上輸送や、内陸水路輸送につける条件ですが、CPTは、海上コンテナ輸送のほか、鉄道、トラック、航空機など、あるいは、これらを複合した複合一貫輸送の場合にも用いることができる条件なのです。

つまり、売主が買主の指定する仕向地まで、航空機、船舶、トラック、鉄道などで輸送し、輸送費は、売主が負担します。
また、最初の運送人に貨物が引き渡されたときに危険負担が買主に移転するといぅものです。このCPTは、コンテナ輸送や複合一貫輸送契約に適合します。

●CIP
(Carriage and Insurance Paid to…named place of destination)

指定仕向地(輸入地)までの輸送費・保険料込条件のことで、CIF条件に対応するものです。つまり、指定仕向地までの輸送費、保険料は、売主が負担します。

しかし、CIFは在来船に用いられるものですが、CIPはコンテナ輸送や複合一貫輸送の場合に用いられます。CIP条件の場合、前述したCPT 条件と同様、最初の運送人に貨物を引き渡したときに危険負担は、買主に移転します。

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