第9回:勧誘を行ない申込みを承諾する 「外為法(輸出貿易管理令)を理解する」

この記事は全部で2ページです。

外為法(輸出貿易管理令)を理解する

外為法は、正式にいうと「外国為替及び外国貿易法」といいます。輸出貿易(物の貿易)については、外為法の第六章と「輸出貿易管理令」に規定されています。

ここでは、輸出にあたって、経済産業大臣の輸出許可や輸出承認という行政処分が必要な場合についてみていきましょう。

なお、経済産業大臣の許可や承認が必要であるにもかかわらず、許可・承認を得ていない場合には、通関の最終チェックである税関長の輸出許可は受けることができません。

ワッセナー・アレンジメン卜と輸出管理令

東西冷戦の時代には、国際的な平和および安全の維持を図るため、ココム(COCOM:対共産圏輸出統制委員会)という安全保障システムがありました。

しかしソ連の解体等により1994年3月31日をもって撤廃されました。

冷戦構造が終わり、新たに地域紛争の頻発が国際的な問題となりました。このため、地域紛争の防止という観点から新たな安全保障システムが必要となりました。この一つが「ワッセナー・アレンジメン卜」です。通常兵器、関連汎用品、技術移転について各国が管理を行なうことによって地域の安定を損なう恐れのある通常兵器の過剰な蓄積を防止しようというものです。

日本もこれに加盟しており、ワッセナー・アレンジメントによる規制に基づいて輸出貿易管理令で具体的な規制が規定されています。

経済産業大臣の輸出許可が必要な貨物

国際的な平和、安全の維持をおびやかす貨物については、世界各国が輸出を控え、地域紛争などに利用されないよう協調して輸出管理を行なっています(ワッセナー・アレンジメント)。

わが国も同様に、これらの貨物の輸出については、経済産業大臣の許可を必要としています。具体的には、「輸出貿易管理令別表一」に掲げられている貨物がその対象になっています。

たとえば、

  • 核兵器、生物兵器、化学兵器などの武器、大量破壊兵器
  • 金属性磁性材料、半導体基板、光ファイバー通信ケーブルなどの戦略物資
  • 暗号装置などの機微な戦略物資

などです。これらは、世界各国どこに輸出する場合にも許可が必要です。

ところで、輸出貿易管理令別表1の16には、大量破壊兵器とは、関わりのない皮革製品や木製品、紙類、玩具以外のもので別表1の1から15に掲げられていないすべての鉱工業産品が掲げられています。先にお話しした核兵器や生物兵器、化学兵器、ミサイルなど別表1の1から15に掲げられている貨物については輸出許可が必要です。しかし、別表1の1から15に掲げられていない貨物であっても、別表1の16に掲げられているもので大量破壊兵器などの開発に使用される恐れがある場合には、経済産業大臣の許可が必要なのです。これをキャッチオール規制といっています。

外為法上の輸出規制(1)
外為法上の輸出規制(1)

この記事は全部で2ページです。