その1:貿易実務英語とは?

執筆者:関根幸雄(広島修道大学教授)

全24回を通じて貿易実務英語の基礎を学んでいきましょう!

はじめて貿易実務の英語に接する皆さんに、私の大学での授業ではまず最初に次の英文を和訳してもらうことにしています。

We are interested in your products.

その結果、「私たちはあなたの製品に興味があります」と訳す方が多いです。
学校の英語では、日常コミュニケーションのための英語なので、たしかにそういう訳になりますが、貿易実務英語とは貿易の場における企業間ビジネスコミュニケーションのための英語となります。

したがって、weとはour company、your productsとはyour company’s productsのことになり、「当社は貴社製品に関心があります」という訳し方になります。

日本は貿易立国として貿易実務英語の長い歴史があり、英語面や実務面から、研究や教育が行われてきました。
とくに英語面では、伝統的に「書き言葉」による教育が中心で、大学生に限らず人気のある英会話とは一線を画しております。

なぜ「書き言葉」かといいますと、レターに始まり、今日のビジネスシーンでは電子メールでやりとりをすることになるからです。

海外の相手とは時差がありますし、電子メールは相手が不在であっても送ることができますので、優しい通信手段といえます。さらに、記録が残りますので、トラブル防止にも役立ちます。

貿易実務検定A級の貿易実務英語科目において、レターおよび短めの文章の英作文が出題され、英文を書く力が試されます。

貿易実務英語では、きちんとした英文が書けて一人前といっても過言ではありません。